SaaS向けLPの作り方｜成約率を高める構成とデザインを解説

投稿日:2025年10月31日

SaaSの集客・成約率を高めるには、サービスの特性を理解した上で設計されたLP（ランディングページ）が欠かせません。

SaaSは目に見えない無形商材であり、ユーザーが価値を理解し行動するまでに時間がかかるため、単なる情報紹介では成果につながらないのです。

この記事では、SaaS向けLPを設計する上での必須要素と実践的な構成ポイントを詳しく解説します。

読むことで、自社サービスの価値を的確に伝え、リード獲得につながるLPを自ら設計できるようになります。

▼この記事でわかる内容

・SaaSにLPが必要な理由
・成果を出すSaaS LPの基本構成
・SaaS向けLPで意識すべきデザインのポイント
・SaaS向けLPの参考事例5選
・SaaS向けLP制作時によくある失敗と対策

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SaaSにLPが必要な理由

SaaSのLPは、単なる広告ページではなく「顧客教育とリード獲得の起点」として機能します。ここでは、その必要性を3つの観点から整理します。

▼SaaSにLPが必要な理由

・SaaSは説明型サービスであり、価値理解に時間がかかるから
・集客からリード獲得までを一気通貫で設計できるから
・データ収集がしやすく、改善効果を数値で検証できるから

SaaSは説明型サービスであり、価値理解に時間がかかるから

SaaSはソフトウェアやシステムを提供する形態で、目に見えない無形商材です。機能や料金だけでは差別化が難しく、導入の意思決定には「どんな課題が解決できるか」を理解してもらう必要があります。

そのため、SaaSのLPでは機能説明よりも「価値体験」を重視する構成が求められます。たとえば、課題→解決→成果の流れを明確にし、利用後の変化を具体的に示すことでユーザーの納得感が高まります。説明型商材こそ、価値を可視化するLPが不可欠なのです。

集客からリード獲得までを一気通貫で設計できるから

SaaS LPの大きな強みは、マーケティングファネルを一つのページで完結できる点です。広告・SEO・SNSなどから流入したユーザーを、課題認識から資料請求・デモ申込まで自然に誘導できます。

さらに、CVポイント（CTA）を複数設けることで、購買意欲の段階に合わせた導線設計も可能です。単なる情報提供ではなく、見込み客を確実に「次のアクション」へ導く仕組みがLPの役割です。

集客・教育・リード獲得を統合的に管理できるため、SaaS企業に最適な施策といえます。

データ収集がしやすく、改善効果を数値で検証できるから

LPはアクセス解析やヒートマップツールを通じて、ユーザーの行動データを収集できます。どの見出しで離脱が多いか、どのボタンがクリックされているかを可視化できるため、改善サイクルを高速で回せます。

特にSaaSでは、無料トライアルや資料請求など多段階のコンバージョンポイントがあるため、データに基づく最適化が成果に直結します。

成果を出すSaaS LPの基本構成

SaaS LPでは「誰に」「どんな価値を」「どんな順番で」伝えるかが重要です。ここでは、成約率を高めるための構成要素を解説します。

▼成果を出すSaaS LPの基本構成

・ファーストビューで価値を伝える
・課題提示から解決策へのストーリーを設計する
・サービスの特徴をベネフィットとして整理する
・信頼を獲得する導入事例・実績を配置する
・CTAの配置とタイミングを最適化する

ファーストビューで価値を伝える

LPの最上部は、ユーザーの離脱率が最も高い領域です。ここで「サービスの価値」と「得られる未来像」を瞬時に伝える必要があります。キャッチコピーは機能説明ではなく、ベネフィット（導入後の成果）を中心に設計しましょう。

また、視覚的要素も重要です。利用画面や動画デモ、主要企業のロゴを配置し、安心感と具体性を同時に訴求しましょう。ファーストビューで“読む価値”を与えることが、LP全体の成果を左右するのです。

課題提示から解決策へのストーリーを設計する

ユーザーが共感するのは「課題の理解」です。まず現状の悩みを提示し、「なぜ従来の方法では解決できないのか」を明確にしましょう。

その上で、自社SaaSがどのように解決へ導くかをストーリーで説明します。例えば、「情報共有が属人化している→クラウドで統一管理→チーム全体の効率化へ」といった流れです。この構成により、ユーザーは「自分事」として受け止めやすくなり、離脱を防げます。

サービスの特徴をベネフィットとして整理する

SaaSのLPで陥りがちなのが「機能の羅列」です。機能ではなく、機能がもたらす結果を示すことが重要です。たとえば「自動通知機能」なら「対応漏れを防ぎ、顧客満足度を維持できる」といった形に変換しましょう。

ベネフィット化することで、非技術者にも価値が伝わりやすくなります。また、箇条書きではなく、使用シーンと併せて視覚的に表現することで、理解度が上がります。

信頼を獲得する導入事例・実績を配置する

SaaSは契約継続型ビジネスのため、信頼構築が欠かせません。導入企業のロゴや事例を掲載し、「どんな企業がどんな課題を解決したか」を具体的に示しましょう。

業種別・規模別に複数掲載すると、共感を得やすくなります。また、定量的な成果（例：工数削減率や導入期間の短縮）を数値で示すと説得力が高まるためおすすめです。

CTAの配置とタイミングを最適化する

CTA（Call To Action）は、LPの目的達成に直結する要素です。SaaSの場合、「資料請求」「無料トライアル」「デモ申込」など複数設置が一般的です。

ただし、配置位置が多すぎると行動が分散します。理想は、読了ポイント・事例紹介後・ページ末尾の3箇所です。ボタンは色や形を統一し、クリック意欲を損なわない導線を設計しましょう。

行動を促す文言も重要で、「無料で試す」「3分で完了」など具体的に記載すると効果的です。

SaaS向けLPで意識すべきデザインのポイント

構成が整っても、デザインが不適切だと成果は出ません。SaaS向けLPでは「UIの一貫性」「視線誘導」「モバイル対応」が重要です。ここでは、SaaS向けLPで意識すべきデザインのポイントを3つ紹介します。

▼SaaS向けLPで意識すべきデザインのポイント

・シンプルで一貫性のあるUIを設計する
・視線誘導と色使いで行動を促す
・モバイル最適化で離脱を防ぐ

シンプルで一貫性のあるUIを設計する

デザインは情報の伝達手段です。配色・フォント・余白・ボタン形状などの一貫性が信頼感を生みます。特にSaaSは、テクノロジー＝難しい印象を与えやすいため、シンプルで直感的なUIが好まれます。

そのため、無駄な装飾を避け、余白を活かすことで読みやすさを保つことが重要です。また、トーン＆マナーをブランドサイトと統一することで、サービス全体の世界観が強化されます。

デザインの統一は「操作のしやすさ」よりも、「理解のしやすさ」を優先しましょう。

視線誘導と色使いで行動を促す

人の視線は左上から右下に流れる傾向があります。この動きを前提に、見出し・ボタン・図解の配置を最適化します。注目してほしい箇所には強調色を使い、他の部分は控えめなトーンでまとめましょう。

CTAボタンは背景とコントラストを強くすることでクリック率が上がります。例えば、青基調のサイトなら「オレンジ」などの補色が効果的です。

モバイル最適化で離脱を防ぐ

BtoB SaaSでも、モバイル経由のアクセスは増加しています。スマートフォンで見やすい構成に最適化しなければ、せっかくの流入を逃してしまいます。

そのため、文字サイズ・行間・ボタン間隔を調整し、片手操作でもストレスなく閲覧できるようにしましょう。特にフォーム部分は入力負担が離脱の要因になるため、項目を最小限に絞ることが重要です。

SaaS向けLPの参考事例5選

成果を上げるSaaS LPには、共通する設計の型があります。単なるデザインの美しさではなく、課題提示から解決訴求、行動喚起までの流れを一貫して構成している点が特徴です。

ここでは、弊社で制作した実際のSaaS LPから5つを厳選し、構成やデザインの工夫、CTA配置のポイントを解説します。

▼SaaS向けLPの参考事例5選

・SMSLINK
・店舗maticFNX
・e-帳票FAXサービス
・Teachme Bizgleasin

SMSLINK

引用元：SMSLINK

SMSLINKのLPは、SaaSらしい「課題解決型構成」と「数値で裏付ける信頼設計」が特徴です。

ファーストビューでは「キャリア直接接続による高品質SMSを業界最安値水準1通6円〜」と明示し、導入のメリットを即座に理解できる設計になっています。さらに、電話不通やメール未達といった企業の共通課題を提示し、「PCからの手動送信」と「API連携による自動化」という2タイプの解決策を整理しています。

3,500社以上の導入実績や通信事業で培った30年超のノウハウを訴求し、信頼性を強化している点も優れています。

店舗matic

引用元：店舗matic

店舗maticのLPは、チェーンストアや多店舗運営企業の「情報共有の非効率」を軸に構成されています。

ファーストビューでは「高収益チェーンストア実現への一歩」というコピーを掲げ、経営課題に直結する訴求で興味を引いています。ページ全体は「課題→解決策→効果」のストーリーで構成されている点が特徴です。

本部と店舗間の分断やツール乱立といった課題に対して、店舗maticが提供する“情報共有・タスク管理・双方向申請”機能を明確に提示している点もポイントです。

FNX e-帳票FAXサービス

引用元：FNX e-帳票FAXサービス

FNX e-帳票FAXサービスのLPは、「手間なく・確実に帳票を配信できる」という明確な価値訴求が中心です。オンプレ環境のFAX運用課題を示し、クラウド化による「業務効率化」と「コスト削減」を具体的に伝えています。

サービスの特徴として、年間数億枚規模の大量配信能力、24時間365日のサポート体制、SaaS安全認証などの高い信頼性を強調。さらに、導入相談から資料請求まで複数のCTAを配置し、導入検討段階の企業をスムーズに行動へ導く構成です。

Teachme Biz

引用元：Teachme Biz

Teachme BizのLPは、「手順が見える、伝わる、拡がる」というキャッチで、業務マニュアル共有の価値を直感的に伝えています。導入企業ロゴを多数配置し、信頼性を即時に訴求。課題提示から「マニュアル化による生産性向上」へと自然に導くストーリー構成です。

動画・画像編集、AI自動生成、承認ワークフローなど多機能を視覚的に紹介し、非IT職でも理解しやすい設計が特徴です。

gleasin

引用元：gleasin

gleasinのLPは、立地戦略に特化したSaaSとして「商圏分析・売上予測ツール」を明快に訴求しています。ファーストビューで「マップにピンを落とすだけで立地データを5秒で算出」と具体的な体験価値を提示し、直感的理解を促します。

Geodemo分析やAI売上予測などの高精度機能を、専門知識がなくても扱えるUIで紹介。ケンタッキーやOWNDAYSなどの導入事例を掲載し、信頼性を補強しています。

SaaS向けLP制作時によくある失敗と対策

SaaSのLPは構成・デザイン・メッセージの整合性が成果を左右します。しかし、効果を十分に発揮できていないLPには共通する落とし穴があります。

ここでは、代表的な5つの失敗と、その対策を具体的に解説します。

▼SaaS向けLP制作時によくある失敗と対策

・機能説明ばかりでベネフィットが伝わらない
・ターゲットが曖昧で訴求がぼやける
・CTAが複数あり行動が分散する
・ファーストビューで価値が伝わらない
・実績や証拠データが少なく信頼性を欠く

機能説明ばかりでベネフィットが伝わらない

SaaSのLPで最も多い失敗は、機能を羅列して終わる構成です。ユーザーは機能の詳細よりも「導入後にどう変わるか」を知りたいと考えています。例えば「自動メール送信機能」ではなく、「対応漏れを防ぎ、顧客満足度を維持できる」といった成果を示すべきです。

ベネフィットを明確にするためには、各機能に対して「利用目的」と「得られる結果」をセットで説明することが効果的です。また、図解やアイコンで視覚的に伝えると理解が深まります。

最終的に、読者が「自社の課題をこのSaaSで解決できる」と確信できる構成を目指しましょう。

ターゲットが曖昧で訴求がぼやける

LPの成約率が低い原因の多くは、ターゲットの不明確さにあります。すべての業界・職種に当てはまる表現を使うと、誰にも刺さらないページになります。

最初にペルソナを定義し「誰が・どんな課題を持ち・どんな目的で導入を検討しているか」を明文化しましょう。その上で、導入事例や比較表を業界別・規模別に整理することで、訴求がより具体的になります。

また、メッセージやビジュアルをペルソナの状況に合わせて最適化することも大切です。訴求対象を明確にすることで、LP全体の説得力と一貫性が大きく向上します。

CTAが複数あり行動が分散する

CTA（Call To Action）はLPの目的を決定づける要素です。しかし、「資料請求」「無料トライアル」「問い合わせ」など複数のCTAを同列に配置すると、ユーザーの行動が分散してしまいます。理想は、ページ全体で“1つのゴール”を定めることです。

例えば「まずは無料で試す」を主要CTAに据え、他のボタンは補助的に配置する設計が有効です。また、CTAボタンの色・形・文言を統一することで、視覚的にも行動を誘導できます。

クリック後のフォームが長すぎる場合も離脱要因となるため、入力項目は最小限に抑えるのがポイントです。

ファーストビューで価値が伝わらない

ファーストビューは、LP全体の成果を左右する最重要領域です。ここでサービスの価値が伝わらないと、スクロールすらされません。避けたいのは、抽象的なキャッチコピーです。

たとえば「業務を効率化するツール」ではなく、「経理作業を月10時間削減できるクラウド管理SaaS」と具体的に伝えましょう。キャッチとサブコピーの役割を分け、1秒でベネフィットが理解できる構成を意識します。さらに、利用イメージの画像や主要導入企業のロゴを添えると信頼が高まります。

実績や証拠データが少なく信頼性を欠く

SaaSは無形商材であり、導入前に“目で見て確認すること”が難しいため、信頼性の証明が欠かせません。導入企業数・継続率・成果データなど、第三者が評価できる情報を提示しましょう。

特に、数字を用いた具体的な実績（例：「導入企業3,000社突破」「顧客満足度98％」）は効果的です。メディア掲載・認証取得・受賞歴なども掲載すると説得力が増します。また、導入事例をストーリー形式で掲載し、「課題→導入→成果」を時系列で示すと、リアリティが生まれます。