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投稿日:2016年12月10日
LPで成果を出すコツは、改善を行っていくことです。LPO(ランディングページ最適化)と呼ばれる手法のことで、主な施策としてA/Bテストがあげられます。ユーザーの生の反応が見られるので、マーケターやWebディレクターであれば日ごろからA/Bテストに取り組んでいる方も多いことでしょう。
しかし、A/Bテストに取り組んだからといって必ずしも成果につながるわけではありません。「A/Bテストに取り組んでいるのに成果が出ない」「A/Bテストの正しいやり方がわからない」といった声も聞かれます。
A/Bテストで成果を上げるにはどうしたらいいのか?このヒントを学ぶのに格好の材料になるのが、過去の事例(ケース)です。本稿ではこの点に着目しつつ、LPOの成功事例を厳選してご紹介します。
どれもちょっとした改善なので、本当に成果につながるのか疑問に思うかもしれません。しかし、そこには成果アップのためのエッセンスが詰まっています。LPOの一貫としてぜひ積極的に採り入れていきましょう。
はじめに、A/Bテストとはどういった手法なのか簡単に復習しておきましょう。
A/Bテストとは、ユーザーの行動を見ながらWebページを改善していく手法のこと。近年注目を集めているグロースハックでも、中心的な手法として活用されています。
A/Bテストを行うには、一つのページに対して異なるデザイン、異なるコンテンツを用意します。例えば、AというデザインとBというデザインを用意するとします。そしてその2つをある一定の割合で出し分けていき、ユーザーから良い反応が得られた方を採用していくのです。
このように、A/Bテストを使うことでユーザーからの反応を直接調べられます。そのため、確度の高い改善を行っていくことができるのです。A/Bテストが効果につながると言われるのは、こういったところに理由があります。
A/Bテストについては別記事でも解説しています。
LPOについては、下のページをご覧ください。
それでは本題に入っていきましょう。どんなことに注力しながらA/Bテストに取り組めば良いのか。この視点を頭にいれながら、LPOの成功事例について見ていきましょう。ここでは国内に限らず、海外の事例についても取り上げてあります。
» ④CTA(Call To Action)を設置する/アフォーダンス(知覚できる行為の可能性)をもたせる | U会話入門 | Web担当者Forum
LPに限らず、Webページではユーザーに期待するアクションを取ってもらわなければいけません。そのためのページ要素を一般的にCTA(Call To Action、コールトゥアクション)と呼び、LPOでも非常に重要な対策の一つに数えられます。
こちらの事例では、ユーザーが得られるベネフィットを具体的に示すことで改善を行っています。ベネフィットを明確に示すことで、ユーザーにクリックしてもらえる確率が上がったのです。
こちらが改善前。
(画像出典元: http://web-tan.forum.impressrd.jp/e/2011/11/07/11397/page/2)
そしてこちらが改善後になります。
(画像出典元: http://web-tan.forum.impressrd.jp/e/2011/11/07/11397/page/2)
もともとは画面下部にサービスの説明しかありませんでした。改善後では、サービス説明のスペースを小さくして、「お小遣いを貯めよう」や「1ヶ月で2万円以上」といった具体的なメリットが追加されています。この改善によって、CTR(クリック率)が14.2%向上したと掲載されています。
(画像出典元: https://vwo.com/blog/call-to-action-button-text-boosts-conversion/)
» Another Win for Specific Copywriting – Button Text Boosts Conversion by 8.39% – VWO Blog
CTAにはボタンやテキストリンクを使いますが、ここに表示する文言を変更することはA/Bテストでは頻繁に利用されている方法です。
こちらの事例では、CTAボタンの文言を「Click Here to Continue Reading(クリックして続きを読む)」から「Make Me Famous!(私を有名にして!)」に変更した結果が示されています。無味乾燥な文言から、ユーザーに刺さるキャッチーな内容になっていることがわかります。CTAボタンの文言を変えただけなのですが、こちらの事例ではコンバージョンが8.39%向上したと掲載されています。
CTAボタンのテキスト変更はA/Bテストではよく行われている対策です。「無料」と追記したり、具体的な数値を載せることも効果アップが期待できます。
(画像出典元: https://blog.crazyegg.com/2013/12/06/conversion-rate-optimization-case-studies/)
» 6 Of My All-Time Favorite Conversion Rate Optimization Case Studies
非常にシンプルな変更でコンバージョンが向上したのがこちらの事例です。もともとは文章がメインのページデザインでしたが、背景に大きく女性の写真をあしらったデザインに変更されています。
Webや広告の分野ではよく使われている方法なのですが、人の写真、とりわけ笑顔の写真を入れると効果が上がると言われています。こちらの事例では、改善の前後で102.5%もコンバージョンが向上したと紹介されています。
(画像出典元: https://vwo.com/blog/career-advice-and-ab-testing/)
» Unexpected career advice from A/B testing: “don’t ask too many questions” – VWO Blog
フォームの改善もLPOの施策としては非常に大切です。EFO(エントリーフォーム最適化)と呼ばれる手法で、A/Bテストなどを利用しながらフォームのデザインや項目を改善していくのです。
こちらの事例では、会員登録フォームの項目数を可能な限り減らすことで、CVR(コンバージョン率)を13%向上させることに成功しています。
LPを運営している側の立場からすると、ユーザーのことをいろいろと知りたいものです。フォームの項目数が増えてしまうのは、こういったところに理由があります。しかしこれはユーザーにとっては重荷になることが多く、離脱を招く原因になってしまいます。
フォームをデザインする時は、できるだけ項目数を減らすとともにユーザーの負担を減らすよう工夫するようにしてください。
(画像出典元: https://ferret-plus.com/90)
» イメージ画像のA/Bテスト事例、最もCVRが高かった画像とは・・・|ferret [フェレット]
LPではファーストビューは非常に重要。ユーザーを惹きつけるトップ画像やキャッチコピーを利用することで、離脱を大幅に減らしたり、コンバージョン向上につなげることができます。
こちらの例では、トップ画像を春を感じさせるものに変更をすることでCVRの向上につながったと紹介されています。キャッチコピーも春を連想させる言葉を並べ、時期(3月ごろ)とサービス内容を上手に結びつけることに成功しています。
こういった改善に取り組んだ結果、LPを改善する前よりもCVRが140%アップしたとあります。LPを改善する上で、ファーストビューがいかに重要かを示している好事例でしょう。
A/Bテストに注目しながら、LPOの成功事例についてご紹介してきました。LP改善の近道は、小さな改善を積み重ねていくこと。一見すると遠回りに思えるかもしれませんが、これが最良の方法と言っても過言ではないでしょう。
なお本稿では成功事例について見てきましたが、よくある間違いについて下の記事でまとめています。こちらも記事もぜひご覧ください。
記事で解説した方法を参考にしていただき、効果の上がるLP運営をしていっていただければと思います。